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弔いのカタチ:3

西蓮寺霊園ほか

卍千種区「姫ケ池通1」の交差点を東に渡る。
すると交差点の北側には集合団地ならぬ集合墓地である日泰寺霊堂をはじめ、
日泰寺の存在理由の張本人であるはずの仏舎利の骨を納めたという
インドやタイに見られるストゥーパ様式の奉安塔も鎮座しているというが今回はパス。
そして道の北側の丘に広がる霊園探索もこの次ぎということで諦めるしかない。
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写真:北側の丘はこんな感じ。

卍しばらく歩くと最初の霊園である「西蓮寺」の墓地とおぼしきトコロが見えてきた。
なぜこんな言い方をするかというと、この辺り西蓮寺と台観寺という2つの寺が
境内の区切りもないままに寺と墓地とが雑然とあるという感じで乱立している。
そんなことで、当事者でない私にはハッキリとは判らなかったという訳。
まあ、そんな些細なことはどうでもいいこと。
どこの寺の墓地であっても、弔いのカタチには変わりがないんだから。
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写真:丘の上から見た墓地はただただ雑然としていた。

卍ここはお世辞にも大きくて立派な墓地ではない。
そして理路整然と区画整理された民主主義的平等を建て前とした墓地でもない。
それこそ自分勝手に、思い思いのままに立てていったらこうなったという墓地。
しかし、私としてはこっちの方が墓地らしくて落ち着くんだな。
ココから先にも道に沿って墓地が並んでるんだが、
もうココまで来るとどこの墓地とも判らない。
それにも増して墓地として「御用のない者入るべからず」という感じで隔離してなくて、
道沿いの歩道に面してさり気なく木々があって墓地があるという感じ。
子供の頃に見た墓地のようで、ことのほか落ち着く。
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写真:墓地の脇の坂道を自転車に乗ったオバサンが颯爽と通り過ぎていった。

卍そういうトコロでは弔いのカタチにも思い思いの個性が働くみたい。
各々の墓地には墓地の中心にあるこの墓の顔である墓標とは別に
何かしら思い出になるものを置いてもいいだろうというワガママがカタチになって、
地蔵のような普遍的な祈りの姿があったり、故人の生前の姿をかたどった姿があったりと
見ていても楽しいし、拙ければ拙いほど故人を思う篤い思いがカタチになったようで、
心あらわれる思いが自然に湧いてくる感じがして身が引き締まる。
その点、戦後生まれの画一的な墓地ではそういう厳粛なモノが感じられないし、
第一、個人個人の個性ある弔いのカタチそのものがこういうトコロにはない。
あるのは同じような大きさの墓石とそれに付属した付属品だけ。
これでは墓地は作ったけど、度々お参りに行こうとは思わないという風になってしまう。
これでは故人はうかばれない。
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写真:こういう風ではわざわざお参りに行こうとは思わないな。

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弔いのカタチ1:軍人とおぼしき2人の男が腕を組んで立っていた。
よく見るとこの制服、日本の軍隊のモノではないような感じがする。
と、するとこの2人はいったい誰だ?
評価:★★★★★
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弔いのカタチ2:歩いていると、この2つの像が並んで佇んでいるのを見かけた。
最初は偶然かなと思っていたけど余りにも多すぎる。
と、するとこの2つの仏像はいったい?
評価:★★★★★
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弔いのカタチ3:像もさることながら、法名を刻んだ文字が
いかにもという拙い感じで、なんだか好感が持てた。
評価:★★★★★
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弔いのカタチ4:ひと各々死に方は色々あるとは思うが、
軍人の死は無念という思いがヒトキワ募るのかもしれない。
評価:★★★★★
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弔いのカタチ5:どんな人の遺言状かは判らなかったが、
その遺言状の文章をそのまま石碑にする篤い思いにタダタダ脱帽。
評価:★★★★★
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オマケのカタチ:地図に載っていない寺の門の脇の木陰に石碑があった。
「比翼塚」という意味不明の石碑だったが、作った人は直ぐ判った。
西区塩町の、あの伊藤萬蔵さんだった。
by tomhana0904 | 2006-11-28 07:34


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