ここにきてT美が「ここの正門の方も見たい」と年甲斐もなくだだをこねるではないか。 一度言い出したら絶対後に引かないという厄介な性格をこの年まで持っているお人。 逆らったら何をされるか、と思うとここは従うしかない。 ワザワザ遠回りしたのに車から降りて勇んで見に行くと思ったら、 「ふん」と言うなり「じゃ、次行こうか」だって。 ∴しばらく間道を走っていたら、ちょっとした集落に出た。 そうこうするうちに道沿いに大きな木が見えた。何やら看板もあるではないか。 その木の名前はすぐ判った。何でも「野村一里塚」というらしい。 この木、相当の樹齢だと思うのだが勢いは若々しくて青々としていた。 南区笠寺の一里塚にある木とは雲泥の差だと思った。 と、いうことは民家の間を走る何でもない間道と思ってたこの道が 江戸時代の天下の幹線道路、東海道ということになる。 偶然とはいえ、これから向かう亀山城が何やら時代の空気に包まれている感じがした。 ∴東海道からちょっと離れたトコロに「忍山神社」があった。 フラットなんだが深い森に囲まれた中にある、という感じ。 しかし、近づいて行くにつれ静寂と寂れた感じの狭間のような神社だった。 目の前にある拝殿も「これが拝殿か?」というものだったし、 境内も「年寄りの住む家の庭」のようで居心地が悪い。 お参りもそこそこに、誰かに気づかれないようにそ〜っと駐車場に戻った。 追伸、ここは伊勢神宮に所縁のある倭姫命(やまとひめのみこと)が 伊勢神宮建設用地を探して立ち寄ったところのひとつだという。 余計なことだが、このお方、土建屋の大将みたいな人なんだな。 ∴地図をよく見る人はこんなこと判っているとは思うが、 地図は地形を読み取り、距離を測るにはこの上なく便利なものだ。 しかし、現実の世界で一番重要な起伏を読み取るという点では役に立たない。 JR亀山駅から亀山城のあるトコロまで地図的に見ると直線の道が少なくて、 道幅が極端に違うトコロがあるということは判る。 しかし、現実にはここは初めて来たトコロでもあり、信号に名前もなく、 更に、起伏が激しくて今走っているトコロが直ぐに判らなくなってしまう。 一度見失ってしまうと、もうギブアップOTEAGE。 道が碁盤の目のようではないので、増々何が何やら判らなくなってしまう。 「アアア」と言いながら走り回って、ようやく目的地である「亀山神社」の横に出た。 ∴想像していた神社 だったが、ひとつだけ気に入らない点があった。 それは神社の直ぐ横を道が走っていて、そのことはよくあることだが、 神社の境内といわゆる公道とが一列の低木の街路樹だけで分け隔てていること。 これでは御心を尽してお参りするところが丸見えになってしまっているし、 だいたい神社を公園のように整備するという発想がそもそもケシカラン。 これには神社アドバイザーを自認する私でも、目が点になってしまった。 もうひとつあった。最近設置した狛犬について苦言をひとつ。 本来の意味も忘れて余りにもお遊びが過ぎるということ。 ∴とは言うものの、全体の雰囲気は結構気に入っている。 拝殿もどっしりと落ち着いた佇まいを見せているし、 ちょっと暗い境内の木々の間から漏れてくる木漏れ日が清々しさを引き立ててくれる。 過度なディスプレイもなく、まさしくここは祈りの場であった。 この神社と先の布気皇舘大神社の拝殿の見てくれとか本殿との関係はほぼ同じ。 神社らしくないと言えばそれまでだが、 この地方の神社は概ねこういう感じなのかも知れない。 ∴拝殿前には案の定、狛犬の姿はなかったが、 境内を内庭と外庭に分ける感じで立派な狛犬が鎮座していた。 一目見て、年代物の狛犬だと判ったんだが奉納年月の記載もない。 こうなると「ほ〜お」と、さも感嘆しているような振りをしてお茶を濁すしかない。 この神社にはもう1種類狛犬がいる。第一の鳥居のすぐ横。 先程の新参者に隠れるように年寄りの狛犬が目を光らせていた。 右も左も判らないような甘ちゃん狛犬に比べると、 頼りがいのある、凛々しいお顔立ちをしていた。 ∴亀山城跡は要は石垣といつ建てたか判らないような小屋がひとつあるだけ。 今年NHKの連続時代劇「功名が辻」で出てきたトコロとして、 解説看板や案内版の1つや2つあるものと思って来たのだが、それすらもない。 要は手摺のない壊れそうな手作りの階段を上がった土手の上に、 わざわざ登ってきた客のためにベンチでもという思いやりも何にもないトコロ。 「これはいかんは」と思わず愚痴りたくなった。 そんな気持ちを知ってか知らずか、チカザワ姉妹は ノー天気な顔をして亀山城跡での記念写真に納まっていた。 [現場の確認] 野村一里塚 忍山神社 亀山神社と亀山城跡
by tomhana0904
| 2006-10-30 06:57
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人生の御負け
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